10年ほど前に
「50歳になったら一緒に何か事業をしようね」
という約束を、友達と3人でしたことがあった。
学友の中でもベンチャー志向の仲間だった。
今となっては
「こんなちょっとした約束をわざわざ10年も覚えてる物好きは
さすがに私くらいだろう・・・」
という程度に思っていた。
そんな折、そのうちの1人と先日数年ぶりに再会することがあり、いろいろ話す中で
「あの約束覚えてるよ。」
と言ってくれるではないか。
―私だけじゃなかったのか!
この年なれば関係というのは流動的なものだと、ある種の割り切りが出来ているので、
あまり固執するつもりはないのだが、そのときばかりは
「それじゃ50歳になっても友達でいてね。」
などと、童心に戻って言ってしまえる自分がいた。
いわずもがな20年後に、その友達が忘れてしまっていても私は気を害したりはしないだろう。
でもきっと覚えていてくれるだろいうという気もしている。
こんな10年越しの約束などというものは、歳とるからこそ経験できる類いのものであるように思われ、人生、少しばかりを歳をとるのも面白いなあと感じるのであった。