創業者であること、跡継ぎであること

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中小企業の社長はこの世で最もロマンのある仕事だ!

23歳のとき、父の会社で経理をしていた祖母が病になったので、新卒で入った会社を辞めて、家業の手伝いをすることになった。
平社員としての入社ではあったけど、経営者になるための心構えをしようと思って、経営者向けの本や財務の本などをよく読んでいたのもその頃だ。

父の会社は年商数億円、従業員は十数名程度の中小企業なので、大企業に勤めた友達がうらやましくもあったが、その頃に読んだ中の一冊に
「中小企業の社長はこの世で最もロマンのある仕事だ」
と書いてあった衝撃が、10年たってもまだ胸中に残っている。
ある出版社の創業者の方が書かれた本だった。

経営の才覚があるかわからないのに、跡継ぎであること

当時、同族会社の跡取りがよく経験するような、社員から厳しい目で見られるプレッシャーのようなものは、まだそんなになかったが、同族だからという理由だけで、経営の才覚・実力があるかもわからないのに跡取りになる・・・みたいな立ち位置にいるのが心もとなかった。

懸案の経理についてはシステム化して引き継いだあと、29歳の時、いろいろあって親の会社を出た。
ささいなことで親と折り合わなかったことと、衰退業界にある親の会社の経営状態がよくなるようなアクションを起こすには、社内での立場が弱すぎたこと、跡継ぎとしては弟(長男)がいたこと、そしてある事業で出した赤字の責任を取るためという名目だった。(翌年、無給で事業を続け、前年の赤字を補ってあまる黒字を出して責任は果たしたので、今は笑い話となっている。)

創業者でいたかった

今思えば辞めるようなことでもなかったかもしれないが、とにかくその頃は、自分で事業をやりたかった。親の会社の属する衰退業界じゃなくて、伸びしろのあるウェブに飛び込んだほうが先があると思ったし、個人的なオファーも増えていたし、自分が、創業者としてもできるんだということを確かめてみたかったというのもある。(経営者といっても、経営者・創業者・オーナーの3つそろっているのが最強だ。)

学生時代のバイト先の社長に、
「しがらみがある会社を、後から入った人間が、中から変えようとしても難しいから、新しい会社を作って、外から吸収したほうがいい」
と助言されていたこともあり、一度、外に出てから力をつけ、そのうち必要であればホールディングスにでも・・・ という、ややおこがましい考えも、どこかになかったわけでもない。(その伏線を回収することがあるかどうかも、わからない。)

逃げ出したやましさと、向き合う

2年間フリーランスをした後、会社を作った。
小さいながらも、そこそこ会社も軌道に乗ってきた最近、経営者の会などに行くと、後を継いで立派に会社を発展させている、2代目、3代目の経営者さんと出会うことがある。その度に、自分が目を背けていたことが思い起こされて、ちくりとする。

「創業されて立派ですね」
という言葉に、
「跡継ぎでいることから逃げたんです」
と返してしまうこともある。

親の会社のことを全く気にかけていないわけではなく、父とは外側から、意見を交換させてもらうようなことはしていて、これも自分が、規模は小さくとも外で経営しているからできる会話だという意味では、よかったかもしれない。
経営者であることのロマンを、少しだけ父と共有できている気がする。

とはいえ、本当の跡継ぎであるはずの弟が帰ってくる気配もないし、少しずつ考えなくてはいけない。
まだ父も高齢とまではいかないから、焦ることはないかもしれないけど、猶予があるからこそ、いずれそれを担うようなことがもし訪れても、なんとかできるくらい、自分の力をつけたいと思う。

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書いた人
めぐ茶めぐ茶
Web制作とシステムの会社をやってるワーママ社長です。
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